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M&A(事業譲渡・株式譲渡)

パーソナルジムのM&Aが活発化?実際の売却案件から見る、2026年フィットネス業界の再編

パーソナルジムのM&Aが活発化?実際の売却案件から見る、2026年フィットネス業界の再編

パーソナルジムのM&A市場で、少しずつ変化が起きています。

これまでパーソナルジムの経営者にとって「M&Aで売却する」という選択肢は、どこか大企業や多店舗チェーンだけの話に感じられていたかもしれません。

しかし現在、M&Aプラットフォームには実際にパーソナルジムの売却案件が公開されています。

例えば2026年6月には、東京都内で複数店舗のパーソナルジムを運営する事業について、譲渡希望額3,500万円、売上高3,000万〜5,000万円、従業員5〜9人という案件が公開されました。

さらに、フィットネス事業を買収してブランドを再設計し、店舗を再生する動きも出ています。

2026年3月には、株式会社ファノーヴァが事業承継M&Aによって取得した既存フィットネス事業を、「FLATTE24 駒沢大学店」としてリニューアル。ブランド再設計やDXを組み合わせた事業再生を進めています。

つまり今、フィットネス業界では、

「ジムをゼロから作る」だけではなく、「既存のジムを買って成長させる」

という選択肢が現実的になってきています。

本記事では、実際に公開されているM&A案件や最近の業界動向をもとに、2026年のパーソナルジムM&A市場で何が起きているのかを考えていきます。


パーソナルジムのM&Aは本当に増えているのか?

まず最初に注意したいのは、「パーソナルジムのM&A件数が前年比で何%増えた」と単純に断定できるような公的統計は限られているということです。

そのため、本記事では「M&Aが急増している」と断定するのではなく、

実際にM&A市場へパーソナルジムやフィットネス事業が継続的に出ており、買収・事業承継を前提とした市場が形成されている

という視点で見ていきます。

M&Aプラットフォームには、実際にパーソナルジムの複数店舗案件が公開されています。

2026年6月に公開された東京の案件では、スタッフ・従業員付きの複数店舗パーソナルジムについて、譲渡希望額3,500万円、売上高3,000万〜5,000万円という条件が提示されています。

このような案件が公開されていること自体、非常に興味深い動きです。


なぜパーソナルジムがM&A市場に出てくるのか?

では、なぜパーソナルジムのオーナーは自分で作った店舗を売却するのでしょうか。

理由は一つではありません。

代表的なものとして、

  • オーナーの事業承継
  • 新しい事業への集中
  • 複数店舗の整理
  • 資金回収
  • 経営からの引退
  • 人材不足
  • 出店後の管理負担
  • 不採算店舗の整理
  • より大きな企業への参画

などが考えられます。

ここで重要なのは、

「売却=経営に失敗した」ではない

ということです。

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「売る」という出口があること自体が経営戦略になる

例えば、1店舗のパーソナルジムを開業したとします。

最初は自分がトレーナーとして現場に立ち、

集客する。

顧客を増やす。

スタッフを採用する。

店舗を増やす。

そして数年後に、

「自分は次の事業に行きたい」

となったとします。

ここで選択肢は、

「閉店する」

だけではありません。

「第三者に事業を引き継いでもらう」

という選択肢があります。

つまり、M&Aは経営の最後に突然考えるものではありません。

むしろ、

開業した瞬間から「将来売れる事業を作る」という発想を持つこともできます。


実際に3,500万円の譲渡希望額が設定されたパーソナルジム案件も

2026年6月にBATONZで公開された東京の案件を見てみましょう。

この案件は、

  • 東京
  • パーソナルジム
  • 複数店舗
  • スタッフ・従業員付き
  • 売上高3,000万〜5,000万円
  • 従業員5〜9人
  • 譲渡希望額3,500万円

という内容です。

もちろん、これはあくまで譲渡希望額です。

実際の最終的な売却価格は、買い手との交渉や財務状況、契約条件などによって変わります。

しかし、ここから読み取れることがあります。

それは、

「パーソナルジム数店舗」という事業そのものに、M&Aの対象となり得る価値がある

ということです。


買い手は「ジム」ではなく何を買うのか?

ここはパーソナルジム経営者にとって非常に重要です。

M&Aで買い手が評価するのは、単純な「内装」や「トレーニングマシン」だけではありません。

むしろ、

  • 顧客
  • 売上
  • 継続会員
  • スタッフ
  • ブランド
  • 店舗立地
  • 集客力
  • Googleマップ
  • SNS
  • Webサイト
  • 運営マニュアル
  • システム
  • オーナーに依存しない運営体制

など、事業として継続できる仕組みが重要になります。

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「オーナーがいなくても回るジム」は強い

パーソナルジムM&Aで特に重要なのが、オーナー依存度です。

例えば、

「代表自身が週6日トレーナーとして指導している」

というジム。

これは、代表にとっては非常に収益性の高いビジネスかもしれません。

しかし、買い手からすると、

「この代表が抜けたら売上はどうなるのか?」

という問題があります。

一方で、

  • 店長がいる
  • トレーナーが複数いる
  • 集客の仕組みがある
  • 接客マニュアルがある
  • 顧客管理システムがある
  • オーナーが現場にいなくても営業できる

というジムなら、買い手は事業を引き継ぎやすくなります。

つまり、

自分が働いて稼ぐジムから、仕組みで稼ぐジムへ

変えていくことが、M&Aという観点では非常に重要になります。


「買ってから再生する」というM&Aも増えている

最近のフィットネスM&Aを考えるうえで、もう一つ注目したい動きがあります。

それが、

「買収→ブランド変更→DX→再出店」

というモデルです。

株式会社ファノーヴァは2026年3月、事業承継M&Aによって譲り受けた既存フィットネス事業を「FLATTE24 駒沢大学店」としてリニューアルしました。ブランド再設計やDXを組み合わせ、既存事業を再生する事例です。

さらに同社はフィットネス事業のロールアップ・M&A戦略を掲げ、資金調達も実施しています。

これは非常に重要な変化です。


M&A=完成した優良企業を買う、ではない

M&Aというと、

「業績の良い会社を買収する」

というイメージがあります。

しかし、フィットネス業界では、

「既存店舗を取得して、自社のノウハウで再生する」

という戦略も成立します。

例えば、

立地は良い。

会員も一定数いる。

設備もある。

しかし、

ブランドが弱い。

集客が弱い。

DXが進んでいない。

というジムがあったとします。

そこに買い手側の、

  • マーケティング
  • ブランド
  • システム
  • 採用
  • 店舗運営
  • マネジメント

を投入する。

すると、買収前よりも高い収益性を実現できる可能性があります。


なぜ「ゼロから出店」よりM&Aなのか?

これは買い手側の視点で考えると分かりやすいでしょう。

新店舗を出す場合、

物件を探す。

契約する。

内装工事をする。

マシンを入れる。

スタッフを採用する。

広告を出す。

顧客を集める。

店舗を軌道に乗せる。

という時間が必要です。

一方、既存店舗を買収すれば、

  • 物件
  • 設備
  • 顧客
  • スタッフ
  • 売上
  • 営業実績

などをまとめて引き継げる可能性があります。

もちろん、既存店舗には既存店舗のリスクがあります。

しかし、うまく案件を選定できれば、

「時間を買う」

という意味でM&Aは非常に有効です。

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フィットネス業界は「ロールアップ」が起きやすい

今後注目したいのが「ロールアップ」です。

ロールアップとは、同じ業界にある複数の企業・店舗を買収して、グループとして規模を拡大していく戦略です。

フィットネス業界では、

「1店舗を経営する」

「3店舗」

「10店舗」

「30店舗」

と自力で増やすだけではなく、

「既存ジムを買って一気に店舗数を増やす」

という戦略が考えられます。

ファノーヴァもフィットネス事業におけるロールアップ・M&A戦略を明確に打ち出しています。


パーソナルジム業界はこれから二極化する?

M&Aの観点から見ると、今後はパーソナルジムの二極化が進む可能性があります。

一つは、

「オーナー個人の能力に依存するジム」

です。

もう一つは、

「事業として仕組み化されたジム」

です。

前者はオーナーが抜けると事業価値が大きく低下する可能性があります。

後者は、

「誰が買っても運営できる」

状態に近づいています。

M&Aでは当然、後者のほうが買い手にとって検討しやすいでしょう。


売却を考えていない経営者ほど、今から準備しておく

ここは非常に重要です。

「自分はまだ売るつもりがないから関係ない」

と思う必要はありません。

むしろ、

売るつもりがない時期こそ、売れる会社を作る

ことができます。

例えば、

  • 月次の売上・利益を正確に管理する
  • 会員数を把握する
  • 継続率を管理する
  • スタッフを育成する
  • オーナー依存を減らす
  • マニュアルを整備する
  • 契約関係を整理する
  • 集客チャネルを複数持つ
  • 税務・会計を適切に処理する

などです。

これらはM&Aのためだけではありません。

普通に経営を強くするために必要なことです。


「売れるジム」と「売れないジム」の違い

では、どんなパーソナルジムがM&Aで評価されやすいのでしょうか。

一概には言えませんが、買い手目線では次のようなポイントが重要になります。

① 安定した売上がある

単月の売上ではなく、一定期間安定して売上を作れていること。

② オーナー依存が低い

代表が抜けても店舗を運営できること。

③ スタッフが残る

M&A後もスタッフが継続して働ける可能性があること。

④ 顧客基盤がある

既存会員が一定数存在すること。

⑤ 集客経路がある

広告だけに依存せず、SEO、SNS、紹介、Googleマップなど複数のチャネルを持っていること。

⑥ 店舗の立地が良い

M&A後も営業しやすい立地であること。

⑦ 財務が整理されている

売上・経費・利益が明確で、買い手が事業を評価しやすいこと。

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「売上1億円じゃないとM&Aできない」は誤解

M&Aというと、

「売上数億円以上の会社じゃないと無理」

と思っている人もいるかもしれません。

しかし、実際のM&A市場では、小規模事業の譲渡案件も存在します。

今回紹介したBATONZの案件も、売上高3,000万〜5,000万円という規模です。

つまり、

「自分のジムは小さいから売れない」

と最初から決めつける必要はありません。

もちろん、すべてのジムに買い手がつくわけではありません。

しかし、

「売却可能性があるかどうかを査定してみる」

ことと、

「最初から諦める」

ことは全く違います。


1店舗でもM&Aを考える価値はある

特にパーソナルジムの場合、1店舗からでも、

  • 顧客
  • スタッフ
  • ブランド
  • Web集客
  • 店舗設備
  • 営業ノウハウ

などを持っています。

買い手側にとって、

「ゼロから作るより既存店を取得したほうが早い」

というケースであれば、M&Aの対象になる可能性があります。


これからは「開業」と「M&A」が表裏一体になる

Personal Gym JPでは、これまでパーソナルジムの開業や経営についても情報を発信してきました。

しかし、開業とM&Aは実は別物ではありません。

開業する。

店舗を成長させる。

複数店舗化する。

事業を仕組み化する。

第三者に売却する。

という流れを考えると、

M&Aは「事業の出口」です。

そして、出口を意識して経営することで、開業時から見るべき数字も変わってきます。


2026年、パーソナルジム経営者が考えるべき「出口戦略」

これからジムを経営するなら、

「毎月いくら稼げるか」

だけではなく、

「この事業を第三者が買いたいと思うか?」

という視点も持っておくべきでしょう。

例えば、

「代表がいないと売上が半分になる」

よりも、

「代表が抜けてもスタッフだけで店舗を運営できる」

ほうが事業としての再現性があります。

また、

「Instagramからしか新規客が来ない」

よりも、

「SEO、Googleマップ、紹介、SNS、広告など複数の集客経路がある」

ほうが事業として安定します。

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フィットネス業界のM&Aは「再編」の入口なのか

今回見てきたように、現在のフィットネス業界では、

売りたい側

買いたい側

の双方が存在しています。

さらに、既存店舗を取得してブランドやDXによって再成長させる動きも出ています。

今後、

「小規模ジムが閉店する」

一方で、

「別の企業がその店舗を買収する」

というケースが増えていけば、フィットネス業界全体の再編が進む可能性があります。

これは、業界が終わるという話ではありません。

むしろ、

「経営者が変わり、ブランドが変わり、運営方法が変わりながら、店舗そのものは残っていく」

という変化です。


まとめ|「売る」ことを考えられるジム経営者が強くなる

2026年のフィットネス業界では、M&Aが少しずつ身近な選択肢になっています。

実際に、東京の複数店舗パーソナルジムについて3,500万円の譲渡希望額が設定された案件も公開されています。

また、既存フィットネス事業をM&Aで取得し、ブランド再設計やDXによって再生する動きも確認できます。

これからのパーソナルジム経営では、

「どうやって売上を作るか」

だけではなく、

「どうやって事業価値を作るか」

が重要になります。

そして事業価値を高めることは、M&Aをする予定がない経営者にとっても無駄ではありません。

オーナー依存を減らす。

スタッフを育てる。

顧客基盤を作る。

集客を仕組み化する。

財務を整理する。

店舗を再現可能にする。

これらはすべて、強いジムを作るための経営そのものです。

「いつか売るかもしれない」

という視点を持つだけでも、日々の経営判断は大きく変わります。

パーソナルジムのM&Aは、まだ一部の大手企業だけのものではありません。

これからフィットネス業界が再編されていく中で、「売れるジムを作る」という考え方は、今後ますます重要になっていくでしょう。


パーソナルジムの売却・M&Aを検討している方へ

「まだ売却を決めていない」

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参考情報

  • 東京のパーソナルジム複数店舗譲渡案件(BATONZ)
  • 株式会社ファノーヴァ「マルチブランド型フィットネス事業の拡張とロールアップ・M&A戦略を本格化」
  • THE BRIDGE「フィットネス・ロールアップの新生・ファノーヴァが資金調達」

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参考・出典

東京メトロ「東京メトロとFiTは資本業務提携契約を締結、東京メトロが15億円を出資」

東京メトロ「2026年3月期 決算説明会資料」

株式会社FiT「東京メトロと株式会社FiTは資本業務提携を締結、15億円を出資」

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